7月29日(土)、夢ある稲生まちづくり協議会文化部さん主催の伝統行事「虫送り」が5年振りに開催されました。この行事は、稲の穂が大きく成長する季節を迎え、大敵の害虫を追い払う願いをこめたもので、昭和35年頃に一旦途絶えたものの、14年前に復活したのだそうです。
「稲生郷土誌」によりますと、昔の虫送りは、以下のようだったそうです。(引用させていただきます。)
野上りをすますと、一斉に田の草取りにかかるが、螟虫(メイチュウ)の害を防ぐのと、農民の過酷な労働の骨休めに、虫送りの行事が7月の上旬にある。朝から太鼓を出して、仕事を休む。ご馳走に、うどん・むしもち等を作る。夕方から、笛・太鼓・鉦(かね)・ほら貝の音に、子ども等のたいまつを先頭に所定の場所へ集まる。元気な若者が、鳴り物に合わせて、体前に大太鼓をつけ、種々の振り舞いをする。足の踏み方については、古老より伝承されていた。太鼓の打ち方は、デンチャン、デンチャン、デコデンチャンチャン。デコデコデンチャン、デコデコチャンチャンを繰り返す。デンは太鼓、チャンは鉦で、ほら貝はこれに合わす。たいまつは、夜空を焦がし、寄って来る虫を焼き殺した。隣村の人や通りがかりの人の見物で大賑わいだった。これも、田の水の取り合いをして、水喧嘩をさせない一法であったと説く人もいる。
当日18時頃に、会場の伊奈冨神社に伺いますと、既に太鼓や鉦、笛、ほら貝の演奏が始まっていて、たくさんの方が演奏を取り囲んで見物されていました。やがて、人々は、伊奈冨神社から南に広がる田んぼへ練り歩き、田の畔道に入ると、たいまつに火をつけて勇ましい行進となりました。遠く広がる田んぼに、勇壮な太鼓や鉦、笛、ほら貝の音が響き、薄暗くなった辺りにたいまつの明かりが輝いて、それは幻想的な光景でした。
帰りには、おいしい柏餅が振舞われました。
稲生地区の素晴らしい伝統行事に感動いたしました。今後も、ますます発展していってほしいです。
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